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Part-time Suite個展「私を待って、墜落する飛行船の中で。 Wait for Me in a Crashing Airship」

京都造形芸術大学アートプロデュース学科が運営するアート・スペースARTZONEでは、韓国・ソウルを拠点に活動するアーティスト・ユニットPart-time Suiteの個展「私を待って、墜落する飛行船の中で。/Wait for Me in a Crashing Airship」を開催します。今年2月、ARTZONEにて開催された日本初個展「不動産のバラード」に引き続き、京都での2度目の滞在制作・成果発表の機会となります。

 Part-time Suiteは2009年の結成当初から一貫して、都市/土地に内在する記憶や、グローバルな経済パラダイムの中で周縁化された人びとへの綿密なリサーチをもとに、映像、音楽、パフォーマンス等の制作を続けてきました。昨冬、京都造形芸術大学の学生たちとともに制作された《TOLOVERUIN》では、京都の街やラブホテルを舞台に、人間の愛と憎しみを中心的主題に据えました。

 本展覧会では、昨年のメディアシティ・ソウル2016(ソウル市立美術館)にて発表された、VR技術を用いた近作《私を待って、墜落する飛行船の中で。/Wait for Me in a Crashing Airship》を展示します。本作は、1960年代韓国の強権政治の要塞であった汝矣島(ヨイド)の地下壕と、経済成長への国家的執念によって荒廃し、排除された様々な空間を繋ぐVR HMD(バーチャル・リアリティ・ヘッド・マウント・ディスプレイ)の疑似SFビデオです。この作品は、VR技術とそれが引き起こす身体的、肉体的感覚によって形成される、幻想的で過飽和な空間の外側へと、鑑賞者の視線を誘導します。また、未来だけを見据える技術中心主義の議論によって放棄された、無数の個人(「私」たちと「あなた」たち)が創造しうる新軌道を描き出します。

 この度、2017年のARTZONEでのレジデンスにおいて、Part-time Suiteは新作《ソフト・ダイナミクス》(2017)を制作、発表します。今回のビデオ作品では、日本の伝統的なからくり人形から今日の高度なロボット技術までを射程に収め、技術政治的な環境における人間性の価値と自律性について扱います。

Part-time Suite個展
「私を待って、墜落する飛行船の中で。 Wait for Me in a Crashing Airship」
8月18日(金)−9月18日(月・祝)

出品作家:Part-time Suite
会場:ARTZONE
〒604 8031 京都府京都市中京区 河原町三条下ル一筋目東入ル大黒町44 VOXビル1・2F
主催:京都造形芸術大学 ARTZONE
企画:PTS2実行委員会
PTS2実行委員会:伊東宣明、雁木聡、四方羅麗、栗田野乃花、齋藤智美、西沙矢子、屋宜初音、西村歩、青山蕗子、川上日南子、赤對美波、チョ・ヨンア
協力:京都大学工学研究科 メカトロニクス研究室

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